キングダム最新巻が発売されましたね。昌平君が提案した三本の柱のうちの一つである戸籍作りが完了し、秦は多くの兵をかき集めることに成功しました。
74巻では主に「南陽攻略」が描かれています。そのストーリーでは、今まであまり目立つことがなかった元・大将軍の王騎の副官であった「騰」にスポットライトが当たっていました。
このページでは、キングダム大好き人間の私が騰についてのプロフィールや南陽攻略時の騰の狙いなど考察していこうと思います。
騰は実在した人物なのか?

今回の南陽攻略まじでおもしろかったなあ…..南陽に入った時に韓と秦の旗を並んで上げさせる所とか、龍安を守ったところとか。何だか「将軍としての器のデカさ」を感じたシーンがかなりあったな。何か騰のイメージが変わったよな。



騰って王騎の側近で、目がいっちゃってて、おちゃらけてるイメージしかなかったからな。まあ強いのは知ってたけどさ。あと、剣を振る時に出る「ファルファル」っていう効果音も印象的だよな。どうやったらそんな音出んねんみたいな。笑



確かに。笑



将軍としての強さだけでなく、知性、優しさも感じられたシーンが多かったね。この章で騰が好きになったファンも多いんじゃないかな?



騰って実際に実在した人物なのかな?色々と騰について知りたくなったから教えてくれよ!



まかせろ。
騰のプロフィール
調べたところ、騰は「実在」した人物でした。
しかも史実ではなんと、”将軍”ではありませんでした。
「え?まじ?じゃあ何でキングダムでは将軍として描かれてるの?」
と思った人も多いんではないでしょうか?
その理由は騰は将軍ではなかったが、内史として韓を攻め、韓を征服したからです。
キングダムは大枠の流れに関しては、史実に基づいて執筆されています。
騰のキャラクター設定を内史としてではなく、将軍として描いた方がわかりやすいと原さん(著者)は思ったのかもしれませんね。
内史とはなんなのか?
内史とは、官職の名称とのことです。
じゃあ官職って何ってなりますよね?官職は、今でいう公務員にあたります。要するに、市役所の役人みたいな感じですかね。
考えたらすごくないですか?
将軍でもないただの公務員が筆頭となって、韓を攻め、統治してしまうんですからね。
スーパー公務員ですよね。
でも、よくよく考えてみると、キングダムに登場する騰は、作中では圧倒的な強さを誇るものの、蒙武や王騎などのザ・将軍って感じではないですよね。
74巻の作中でも、中華統一後の世界はどうあるべきかを考え、攻め入る国と攻めいられる国の両方の視点を持つなど、どこか知性的な一面もあるように感じます。
「実は将軍ではなく、スーパー公務員だった」っていう知識を持って改めて騰のシーンをみると見え方が変わってきますね。
もう一人のスーパー公務員
ちなみに騰だけでなく、実は蒙恬(もうてん)も将軍ではなく、内史だったそうです。
史実によると、30万人の兵士を率いて、匈奴(きょうど)と戦ったそうです。
ちなみに匈奴(きょうど)とは遊牧騎馬民のことで、紀元前3世紀末に強大な匈奴帝国を作っております。
キングダムの作中でも、かなりの強者としてたびたび出てきますよね。
そんな猛者たちと戦うスーパー公務員蒙恬。凄すぎますね。
蒙恬も美男子で武将っぽくはないし、やっぱり元・役人ということを著者の方も意識したのでしょうか?
なぜ内史である騰が韓攻略に選ばれたのか?(考察)
騰について調べていると、ウィキペディアに、「かつては韓に仕えていた・・・。」という記載がありました。
ここからは完全な私の考察になりますが、おそらく、騰が韓の内情や地理について詳しかったため、韓攻略のキーマンとして選ばれたのではないかと思います。
史実においても、秦はたった2年で韓を攻略しています。
いくら他国より軍事力が乏しいと言えども、たった2年で一国を滅ぼしてしまうことは容易ではありません。
それを為せたのも、騰が韓の内情を熟知していたからこそなのではないでしょうか。
キングダム本作では、南陽を無血開城させるシーンがあります。
秦が老人を10万人招集し、26万人の大軍が押し寄せてきているように見せかけ、韓王に南陽を捨てさせる選択をさせました。
韓王は、「戦力的には韓は他国に対して劣る。だから捨てるところは捨てなければならない。そうやって韓は生きてきた」ということを言っています。
本作で、騰がもともと韓に仕えていたという記述はありませんでしたが、仮にそうだったとして、そのような韓王の性格、韓の考え方を知っていたからこそできた芸当ではないでしょうか?
市民の感情に訴えて統治しようとする騰とあくまでも法で統治しようとする剛京
秦軍は、南陽を無血開城させたまでは良かったものの、当然元から住んでいた南陽の住民に歓迎されることはありません。
入城してすぐに、韓の旗を掲げられるなど、韓の民の反秦国の感情は相当なものでした。
そこに法律の番人のような剛京という文官が統治のためにやってきます。
剛京は「いかなる者も法の下に平等」という考えを持っていました。そして、韓のやり方ではなく、法で治めるという秦のやり方を強制的にやろうとします。
統治という形であっても、韓の民の心を掴むために、秦と韓の旗を並べて上げさせたり、前・当主の龍安の処刑を止めたりと、どちらかというと民の心に訴えかけようとする騰と、あくまで皆、法の下に平等という信念を貫こうとする剛京。この二人のやりとりも見ものでしたよね。
旗を掲げた韓の民が処刑されてしまわないかハラハラしましたよ。
いつも思うのですが、キングダムは過去の秦軍がやってきた残虐非道の数々がエグすぎます。親を○されたとかいろいろと。そりゃ反感持ちますよね。旗並べたり、元・領主を守ったりするだけで、そんな過去の遺恨が消えるわけありません。
そう考えると、天下を統一して、日本を一つにまとめあげた戦国武将たちもすごいなあと思いますね。
争いを好まない、和を大切にする日本人の性格ということもあるのかもしれませんけど。
いつ寝首をかかれるかもわからない。不安因子は少しでも排除して、新しい秦のやり方を浸透させるべきだという剛京の主張もわかりますし、お互いを尊重し、征服するのではなく、あくまで平和な世界を作りたいと考える騰の気持ちもわかります。
74巻の巻末のシーンでは、韓の民に対して不祥事を起こした秦軍の兵士を剛京が「法の下に皆平等だ」と宣言して処刑するシーンがありました。
現代の社会でも、法治が基本的に採用されているのを見てもわかるように、安全安心な国家を存続させていくためには、法で治めるということが最適ということなのでしょう。
今まで騰は、何を考えているかよくわからないようなキャラの位置付けだったのが、人道的な振る舞いによって一気に人情味のある知性的な将軍といったイメージになったような気がします。
史実での韓攻略のその後は?
秦は2年という短期間で韓を征服しました。韓を征服した後、騰は南郡の郡守として韓に残り、楚攻略のための駐屯の準備を行なったそうです。
そこで騰は、法を厳格に執行するために、文書を発布し、人々に法を行き渡らせています。(wikipedia調べ)
作中では、法の下に平等という信念を持つ剛京と激しいやりとりをするシーンがありましたが、史実では騰自身が法で民を治めようとしていたんですね。
やはり役人というだけあって、ルールをしっかりと作るということはやりたかったのかもしれませんね。
ちなみに作中では、韓は他国と比較して戦力的には弱いというセリフが見られました。ですが、実際は、兵器は精良であり、優れた弓と弩は全て韓から生まれたと評されていたとあります。
また、韓は、魏、趙、楚の間に位置していることから、秦が東に行くことを防いでいました。韓を征服することで、東への侵攻が可能となり、秦は武力と地理的な優位性を得たことで、中華統一の進展を加速させることができたそうです。
騰と寧の関係性について



騰について調べてたらさ、寧って人が検索に出てきたんだけど、誰??



寧は韓王の娘だよ。かなり可愛くて、民想いの良い子なんだ。



騰となんか関係あんのかな?



実はあるんだな〜これが。
騰と寧姫の関係は?
作中でも、印象的なシーンが多くあり、なおかつ美貌があり、存在感がある寧ですが、実際に史実には登場するのでしょうか?
調べてみると、韓王の娘、つまり寧についての記載はなく、寧は完全にキングダムのオリジナルキャラクターでした。
しかし王様は子孫を残すことが仕事の一つでもあります。実際に娘がいた可能性は高いでしょう。
騰と寧は作中でどうなるの?
ここからは、完全に私の考察になります。
結論から書くと、おそらく騰と寧は結婚し、ともに韓の領地を治めていくと私は推測しています。その理由は2つあります。
述べていきますね。
理由1、「中国ドラマ 始皇帝 天下統一に寧騰というキャラが出てくる」
史記の本場中国で作成されたドラマである天下統一。その中では、騰の名前は「寧騰」という名前になっております。
騰ではなく、寧の字をもらっていることから、キングダムの本作では、韓を侵略した後に寧を嫁にもらい韓を治めていくのではないでしょうか。
理由2、史実では、騰が韓を討伐した後、統治することになっているから
史実では、騰が韓を討伐した後は、南郡守としてその地を統治することになっています。韓王の娘を嫁にもらったという記述はありませんが、敵地を統治していく上では、王の娘をパートナーにするということは、戦略的にも良いような気がします。キングダムは、史実にある程度基づいていますから、騰が敵地を平和に治めるためにそうしたという流れは自然ですよね。
騰は南陽を攻略したあと、韓と秦の旗を同時に並べさせたり、龍安を守ったりして、いかにして平和に南陽の地を治めるか?ということを常に考えていましたよね。
韓を討伐した後、韓の民衆は、韓の統治者が変わることで不安を覚えます。
これまでのキングダムのストーリーを見ても、やはり統治される側はかなり虐げられることが多く、民衆が不安になるのは当たり前ですよね。
だってそういう戦国の世の共通認識のようなものがあるわけですからね。
そんな中で、王の血を引く娘であり、なおかつ民想いの寧が引き続き統治者の妻として、韓の地にいれば、民は安心する訳です。なぜなら、妻という立場であれば、統治者に対して進言もできますし、悪いようにはしないでしょうから。
騰からしても、敵地を奪ったと言っても、あくまで周りは韓の民に囲まれている状態です。
史実では、韓は秦をひどく嫌っていたようですし、いつ寝首をかかれるかわからない状況で、安心して暮らしていくためには、この策が最も適していると考えるのではないでしょうか。
民衆心理としても、韓王の娘の夫をどうにかしようなんて思わないでしょうしね。
そのようなことも見越して、騰は寧を嫁にもらい、韓の地を平和に治めていくのではないでしょうか。
騰=〇〇説?



最近、王翦の部下で辛勝って出てきたじゃん?史実では、あれ実は騰と同一人物じゃね?って言われてるらしいよ?



そうそう。何か誤字で書物に書かれてるせいで、同一人物なのに二人になっちゃったって感じらしいよね。



そうだとしたら何か悲しいよね。完全に間違って後世に伝わっちゃってるってことでしょ?まあ、人が書くものだし、仕方ない部分もあるのかもしれないね。



まあ、あくまで推測でしかないんだけどね。
騰=辛勝説
最近、王翦の部下の将軍として、辛勝という武将が登場しました。
史実では、この辛勝が、王翦とともに燕を討伐するとあります。
かなりの猛将ですが、この辛勝、なんと騰なのではないか言われているんですね。
新唐書には、「秦に辛騰という将軍がいた」という記載があります。
そして時代の流れに沿って考えてもなんと辻褄が合います。
南郡の郡守として、南郡が楚に攻められたため、王翦と協力して楚を討ったと考えればきれいに辻褄が合います。
そう考えると、この辛勝=騰説もあるのかなあと思ってしまいますね。
作中では別人として登場していますが、このような背景も加味して読むと面白いですよね。
まとめ



王騎の印象が強すぎて、騰って完全にサブキャラだと思ってたけど、今回改めて調べてみたことで、かなりイメージが変わったね。



まさか史実では正式には内史で、役人だったなんて思いもしなかったね。



史実では、韓を討伐した後に、燕に向かうようだけど、キングダム本作はどうなるかね?



次の最新刊が待ち遠しいね!!
- ・史実では騰は内史であり、将軍ではなかった。
- 騰は実は韓にかつて支えており、韓の内情が分かっていたため、将軍として任命され、韓攻略に向かった。(考察)
- ・騰は韓を侵略後、寧を妻として迎え入れ、統治していくのではないか?(考察)
- ・騰=辛勝説(考察)
騰について史実を調べたり、考察を行なってきました。騰について、作中と史実では、ところどころ異なるところもありましたが、「知性も兼ね備えた優秀な武将であった」という点に関しては共通していましたね。
漫画だけでなく、史実に照らし合わせて読むことで、また面白さが増しました。
今後も騰の動向に注目していきたいです。